⇦ 膨らんだ輪が2本見える。
通常のサックスの場合、マウスピースをネックコルクにグリースを塗ってねじ込みます。Venova は管体ネック部に2本のOリングが少し離れて配置されています。マウスピースはそのままそこにねじ込みます。マウスピースの穴の内部の奥にはぐるりと線状の膨らみ(bump)が2本あります。抜け止めでしょうか。引っ張ると引っ掛かりを感じます。いずれにしろ、がたつくことはなく、メンテナンス、扱い易さ、耐久性を考えるとコルクよりむしろ優れているのではと思ったりします。
オクターブキーのレバー位置が左手親指で押さえるトーンホールに近すぎて触れてしまう。操作の慣れが必要です。もう少し離れていたほうがやり易いように思う。サックスでは左手親指操作はオクターブキーだけなのでこのようなことは起きないのですが。
また、トーンホールを押さえる指の腹が次第に痛くなる。穴のエッジが鋭角過ぎるせいで、そのうち紙やすりで面取りするつもりです。
付属のリードはプラスチック製です。感じが変わるかと互換性のあるVandoren ソプラノサックス用リードJAVA 3番に交換してみました。しかし下手糞な私には差がよくわからなかった。
既に色々と紹介されているように、この楽器は非常にユニークです。
一つはサックスの様な音を出すためと説明されている突き出た分岐管が付いている。また、キーの数を極力減らし、トーンホールを自然な指の位置で押さえられるように管体を蛇のようにうねらせています。その結果、独特な面白い形状になっています。そして2017年度グッドデザイン大賞を取りましたね。
キーは樹脂でできているので力を入れると折れるのではと当初気になりました。しかし、うまく作ってあって、ストッパーで力を受けるようになっていて安心です。管体はABS樹脂でできていて軽くてしっかりした感じです。管体には『MADE IN INDONESIA』の文字が小さく入っています。
クリックすると別windowに大きく表示されます。
特許を調べてみると米国特許の広告番号 US5435156A があり1992年に出願されています。また、2011年出願の US8334447B2 もあります。分岐管に関する技術で、ヤマハの増田英之氏の発明です。このVenovaで花開いたのでしょうね。興味ある方はクリックして特許明細書を見てください。
右の図面は特許明細書からの引用です。
Venovaの感想
JAVAのリード
付属のリード
ヤマハの画期的な木管楽器『Venova』を買いました。
これはリコーダーの指使いで、サックスの音色が出るということで、昨年から話題になっています。10,000円+消費税と手ごろな価格です。C管で音域は2オクターブ(C4~C6)です。
早速、吹いてみたのですが結構大変です。アルトサックスより吹き込み力が必要のようで、特に低音のドとレが出しづらい。まともな音を出すのに2日かかりました。指使いはリコーダーに似ているとの説明で、触ってみるとフルートやサックスにも似ています。しかし半音の指使いは難しい。新たに慣れる必要があります。また半音のうち、F♯の音が高めに出るようでしっくりきません。吹き方に工夫が必要なのかもしれない。